染め紙工房
染め技法の種類
和紙を染める際には、その効果によって様々な技法が用いられます。ここではその一部をご紹介します。
染色
引き染め(ひきぞめ)
染めの基本的な技法。染料や顔料を使い和紙全面に平均にムラ無く、刷毛で引き染色する。
侵し染め(ひたしぞめ)
熱して溶かした染料を60℃くらいに冷ましてから浸して染める。ムラ無く染まった事を確認し、色止めとしてのり水に浸してからよく絞り脱水する。その後和紙を平らに伸ばし乾燥させる。強制紙などはこの技法で染める。
重ね染め(かさねぞめ)
典具帖紙などの薄い和紙をまとめて染める場合の技法。パレットに和紙を10枚位敷き、その上から柄杓等で染料を掛ける。(ぼかしを出す場合もこの技法を用いる)染め後、上から重石を載せ余分な染料を絞り出し、乾燥させる。
模様の入った染色
丁字引き(ちょうじびき)
ダイレクト染料を煮て使用する。和紙の上に隙間の空いている刷毛を使用し定規に当て一気に引き染める。縦・横に引き染め格子状に染め上げる。単色が多い。
板〆染色(いたじめせんしょく)
白和紙を丁寧に交互に折り畳む。畳んだ和紙の角や縁にお湯を漬け、その後染料を漬ける。 色を何色でも変えることも出来る。その後余分な水分を吸い取り広げて乾かす。
マーブリング染色
(まーぶりんぐせんしょく)
パレットに水を張り、染料を少量付けた筆と松脂を付けた筆とを交互に水面に落とす。水面を渦上にし、横から吹くなどして模様をつくる。その上に和紙を平らに置き、引き上げる。染料が水面に残っている限り染める事が出来る。決して同じ模様は2枚と出来ない。
雲形マーブル(くもがたまーぶる)
和紙の全面を一度、分散顔料で染める。その上に、松脂を混ぜた水を特別の道具(別名パタパタ)を使用して上からまんべんなく散らすように振る。水が染めた染料をはじく模様が柄になる染め方。
砂子振り(すなごふり)
ニカワ(糊)を和紙全体に塗り、その上から篩に入れた砂子(粉末状の金・銀分)を紙に散りばめる。一箇所に固まらない様に少なめに振る。
むしろ引き(むしろびき)
突起物がまだらに置いてある台紙の上に和紙を置き、丁字引きに使用した刷毛で染める。縦・横に引き染め格子状に染め上げる。単色が多い。
加工
ドーサ引き(どーさびき)
和紙のにじみを無くす為に、紙の表面を加工する方法。刷毛を使いドーサ液を和紙全体にムラ無く塗る。ドーサ液は冷めると固まってしまうため、絶えず熱を加え、保温状態で使用する。また、紙が厚い場合は2度以上塗る必要がある。
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